聞かれることが多いのと、年に1〜2回しかやらない作業なので忘れないために。
まず、イラレで原稿を作ります。モノクロ原稿ができれば手描きでもなんでも。
OHPシートにプリント。感光乳剤を塗った版を露光するとき、黒い部分が遮光され、それ以外は感光して硬化する。
しかし普通にプリントしただけではトナーやインクの遮光性が足りないので、同じものを2枚重ねて遮光性を上げる。光にかざしてピンホールがあるようなら、オペークなどで塗り潰す。
今回のデザインでは網点があるので、貼り合わせはズレないように気をつける。老眼にはつらい…
木枠にテトロンメッシュを張る。色Tに刷る場合は、目の荒い70メッシュを使う。張り方はまたいずれ。
メッシュを張った張り枠に、バケットを使ってジアゾ感光乳剤を薄く均一に塗る。塗り方もいずれ。
薄く均一に。ちなみに今回は薄くしすぎた。乳剤で作られる膜の厚みがそのままプリントした時のインクの厚みになる。
乳剤面が薄く均一でないと、感光ムラの原因になるので、バケットは専用のものを用意したほうがいい。それ以外で均一に塗るのはたぶん無理。
ちなみにこの画像のバケット(右下)は自作。ホームセンターにあるアルミ複合版をカットして作ったもの。安くできるけど精度のある加工をする手間とか考えたらたぶん買ったほうが安い。
塗り終わったら浴室などホコリが立ちにくいところで乾燥。この時、版の水平を保つようにしないと乳剤が垂れてムラの原因になる。
乾燥したら、出力しておいたフィルムを版に貼る。
フィルムに剥離可能なスプレーのり(3Mの55など)を軽く振って軽く固定する。
版の裏面には黒い紙を密着させ、下にスポンジを置く。表面にはアクリル板を置いて、乳剤面とフィルムの密着性を高める。
そして露光。
露光は蛍光灯で。ちなみにLEDだと紫外線がほとんど出ないので感光しない。露光前の作業はLED照明の下で行うといい。
撮影用の4灯照明がちょうどいい感じなので、これを被せる。厳密に言うと、ライトから版の膜面までの距離が出来るだけ等しいほうが良い。直管の蛍光灯を等間隔に並べて当てるほうがムラは出にくい。
このライトだと、光源に近い中心部と、光源から遠い周辺部では若干違いが出る。レフがあるだけ若干マシ…と思う。
露光時間は8分。
これは光源の量、距離、膜面の厚みによって多少変わる。トライアンドエラーで。焼き損じたら離膜剤で離膜して乳剤塗り直し。
無事焼けると、遮蔽した部分がやや黄色味を帯びて残る。それ以外は感光して硬化している。
よく湿らせた布を版面に当て、10分程待つ。両面を水で濡らしてもよい。湿らせて、硬化していない部分を柔らかくする。
流水をあてて流す。抜けていない部分は布で優しくこすりながら洗い流す。
ピンホール(小さい点)がいくつか見える。
ヘラで乳剤を塗り、乾燥したら再露光。
枠の周辺はマスキングする。
さて、これで製版完了。
次回、印刷編に続く。