チャンスはこちらの都合に合わせてくれない

という話をsaya spiceにしたんだけど、自分で言いながら果たして本当にそうなんだろうかと。こっちの都合が悪いならそれはチャンスじゃないんじゃなかろうか、たまたま目の前に現れた事象を「チャンスであってほしい」と色眼鏡でみてるだけじゃなかろうかと。

思えば、前職のドゥニヤ開業の時なんて正にそうだった気がする。デザイナーとして行き詰まりを感じているときに社長が放った「どうする?向かいの空きテナントでカレー屋やってみる?」の一言に「いいすね!」と乗っかりうっかりはじまったカレー屋人生。

今の自分に繋がっているんだから結果的にはチャンスだったとも言えるけど、カレー屋(飲食業)という世界が、「隣の芝生はゲーミング芝生かな?」ってくらい虹色に輝いて見えたのも事実。未知の世界に輝きを見いだしつつも、デザイナーとしてはどんどん出てくる新しい技術、どんどん短くなる納期、どんどん狭くなる人間関係、このまま自分は40歳、50歳と同じ仕事をやっていける気がしねぇ…。という後ろ向きな選択も少しあった。

じゃぁそのゲーミング芝生たる飲食業について何か知ってるかというと全くの未経験。

修行はおろか、飲食店でバイトすらしたことが無い。ただ毎日趣味でカレー作ってただけ。

何度思い返しても、会社でやってたから何とかなってた(経営的には何ともなってなかった)けど、個人でいきなり開業してたら1ヶ月で詰んでた。チャンス(と勝手に自分が思い込んでる)はこちらの都合なんかしったこっちゃない。

さすがにヤベェ!と思って独学で勉強したり必要なツールを開発したりの試行錯誤が、結果的にその後の独立~今回の移転に繋がっている。

あのときの29歳の私におこったことがチャンスだったと理解できるのは、「今ならすぐ乗っかってあれやってこれやって…」と思えるくらいの実力がついたからだ。

たぶん、いま自分の身におこっている困難や諸々もなんとかもがいて乗り越えて身についた頃に「チャンスだった」と認識できるんだろうと思う。

いやそんなフワフワしたこと言っていいのは20代までやで。
お前もう18年カレー屋やってんだから。
単に人生後手後手なだけやろうが。

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