最期のカレー

身体に不調を感じ始めるお年頃。

不調を感じてもなかなか休めなかったり、休んでもそれほど回復しない事があるお年頃。

そして、休んでもそのまま目覚めない事もありうるお年頃。

それまで遠くに感じてた「死」が気づけば身近にあって、一瞬で間を詰められてしまう距離にある。気づけば、もうそんな歳になってしまっている。

私が作ったカレーがその人にとって人生最期のカレーかもしれないし、私が今日仕込んだカレーが遺作カレーになるかもしれない。

店を続ける限りは死ぬまで精進、日々進歩と思って作り続けているけど、今日のカレーはちゃんと一歩進んでいるだろうか、人生最期でも大丈夫だろうか。

強制終了を意識して前に進むというのはなんかツライ気がするけど、まぁその時はその時。少なくとも後悔しないように前に進みたい。

先日、長年親交のあった方が急逝され、最期の投稿が私のカレーだったので色々考えてしまいました。まだまだ、いろんなカレーを食べて欲しかったな。飲まない私が一緒に飲みに行く数少ない友人のひとりでした。また飲みたかったな。本当に残念です。

ご家族のご心痛をお察し申し上げますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。

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